小説としての面白さはもちろんのこと、国際社会や、人間とは、といった問題を考えるきっかけにもなる素晴らしい本です。 「3ヶ月で10億人を超えるアフリカの人達を脱出させる」というとんでもない事態が起こるのですが、普通、誰もがすぐに「とても無理」と言うでしょう。そんなことを言えばアフリカ中で暴動が起きます。著者は、そういうことを十分理解した上で筆を進めている点でプロだと言えます。この「民族大移動」の姿については、「一本の道路を、歩行者と自動車、両面と片面でどう使い分けるか」まで考えられています。このように丁寧に描く姿勢が、ストーリー全体に迫真力を与えていると思います。 分厚い本ですが、難しいところはある程度飛ばし読みしてもあまり問題はなく、私は一気に読み終えました。老若男女を問わず、すべての方に強くお薦めします。