タイトルは「ビートたけしの首」

首、首、首…古今東西の映画の中でこれほど生首(勿論作り物だが)がゴロゴロ出てくる映画は史上初だろう。冒頭からいきなり荒木村重一族の斬首シーン、ハッキリ首が切断される描写を見せる。以後、斬首、断首のオンパレードである。狂気の織田信長も炎上する本能寺の中で、あっさりと黒人弥助に首をはねられて終わりである。「首」という題名では既に森谷司郎監督、橋本忍脚本の名作があるので、この内容ならば、タイトルを「ビートたけしの首」にすれば良かったのにと思う。 それにしてもキャスティングは、秀吉役に自身ビートたけし、家康役に小林薫はないだろう。双方70歳を遙かに超えているが、「本能寺の変」当時の秀吉は45歳、家康は39歳である。たけしは監督に専念し、秀吉役はそれなりの役者に演じさせるべきではなかったか。予算と興業の面からやむを得ないことだったのかもしれないが。それにしてもこの二人が画面に映ると違和感がありすぎ。ただし、西島秀俊の明智光秀は近年のパブリックな光秀像に合わせてこの映画では唯一の適役。加瀬亮の織田信長は従来の信長像とは違うが、こういう信長もありかもしれないと思わせる。