禄二百五十俵の新御番衆・香坂家に婿入り
上州新田郡、利根川べりにある長船村の貧しい農家に生まれた藤吉が、生まれ持った運と知恵を味方に、藤吉は立派な武士へと出世できるのか!?身分の壁にぶつかりながらも、孤軍奮闘する若者の成長を描く、その第4弾。
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旗本の小出家で、上役の悪辣な妨害にも負けず職務と武芸に励む川端藤吉。真っ直ぐなその姿に当主の信頼も厚く、屋根の葺き替え工事に絡む事件で多大な功を上げ、禄三十五俵の用人下役に出席した。ある日、新御番衆の旗本、香坂平内から婿入りの誘いが掛かる。香坂家は将軍御目見の地位にあり、藤吉には更なる出世となるのだが、平内の娘の楓は、重い病で明日をもしれぬ命だった。
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屋根の葺き替え工事料を騙し取った犯人探しの執念がすごい。その工事料を取り返した功を横取りする上司の悪辣さ、それを暴く痛快さが見もの。
また、千寿姫への一途な恋心から、香坂家への婿入りを断ろうと考えいた藤吉に、千寿姫が婿入りを勧める。その場面の両者の言葉のやり取り、心の葛藤が印象的。
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■本書の基本情報
・筆者:千野隆司(チノ タカシ)
・略歴:1951東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、'90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。
・出版:幻冬舎
・発売:2017年6月
・ページ数:310p
■これまでに購読した千野隆司の著書
・「おれは一万石」…第5巻まで
・「出世侍」…第3巻まで(本書)
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