ミステリータッチの展開が面白い

ひょんなことで「居眠り番」と蔑まれる閑職・両御組姓名掛に左遷された凄腕の北町奉行所元筆頭同心の蔵馬源之助。暇を持て余す源之助に数々の依頼「影御用」が舞い込み、解決していく。2010年からスタートした本シリーズの第20弾。 今回は、老舗の履物問屋杵屋の跡取り息子・善太郎の知らせを受け、浪人が人質をとって立て篭もっている一膳飯屋“亀屋”に急いだ。 浪人は、医者のもとに逃げた妻を連れて来ぬと人質の命はないという。その妻と共に駆け付けた源之助が亀屋で見たのは、己の同心の勘を打ち破られ、亀屋夫婦が殺され、客の行商人が重症、浪人が自害するという想像を絶する光景だった。当初、犯人は浪人と思われたが、真犯人が重症の行商人だと暴く。 浪人と亀屋夫婦が何故殺されたのか、謎が謎を呼ぶミステリータッチの展開が面白く、真犯人との対決で、源之助の雪駄に仕込んだ鉛板が思わぬ活躍をする場面が印象的。 ----- ◎本書の基本情報 ・筆者:早見 俊(ハヤミ シュン)、1961年、岐阜県岐阜市に生まれ、法政大学卒 ・略歴:1961年、岐阜県岐阜市に生まれる。法政大学経営学部卒業。会社員を経て作家活動に入る。 ・発行:二見書房 ・発売:2016年7月 ・ページ数:287p ◎これまでに購読した早見俊の著書 ・「居眠り同心影御用」…本書第19弾まで ----- ◎両御組姓名掛(りょうおんくみせいめいがかり)とは 奉行所に勤務する同心とその家族の名簿を作成する部署。 家族が死亡、赤子誕生、夫婦になった時にそれらの事項を補完することすることくらいしか仕事がない。