悲喜劇

舞台は名古屋である。ちくさ正文館の名物店長・古田一晴氏と、風媒社編集長の劉永昇氏が、朝日新聞名古屋本社版に寄せたリレーコラムを1冊にまとめた。幅広く本を読んでいる二人ながら、それぞれに個性があり、また読書傾向も変化に富んでいて面白い。ただ、第一の功労者を挙げるなら、この企画を考え、紙面に載せた、佐藤雄二記者だろう。こうした文芸記者を、新聞社は定年退職させてはならない。とりわけて文芸や芸能記者に定年をもうけてはいけない。それにしても朝日新聞や風媒社から出版せず、ちくさ正文館も閉店してしまって書棚に並ばないのは、悲劇か喜劇か。