昭和の映画は素晴らしい

「妖星ゴラス」では、ゴラスの直撃を避けるため南極に地球移動機器(?)を設置する。地球の軌道を動かしたら、人類滅亡、全生物死滅くらいの大災害になると思うが、この映画では皆いたってのんびりしており、実際に動いた瞬間は、動いて良かったと無邪気に喜んでいる。さすがにゴラスが接近した時は大津波で日本は水没してしまうが(予算の関係だろうが世界の他の地域の様子は出てこない)、ゴラスが去った後は、また都市計画をしっかり図って、再建すれば良いと楽天的。昭和年代、東宝特撮の世界観である。しかもこの内容で(子供サービスのため怪獣まで出てくる)、僅か87分、90分ないのである。素晴らしい疾走感、スピーディな展開は見事。 「大怪獣バラン」は、人気もあまり出なかったのだろう、メインで作られたのはこれ1作で、シリーズ化されることもなく、モノクロで作られていることもあって地味な怪獣になってしまった。出演者も「妖星ゴラス」の豪華さと比べると貧弱で、主演格の男女優は無名の新人で、有名どころでは土屋嘉男、平田昭彦、新劇の大御所千田是也(逆に何で出たか、小遣い稼ぎだろうが)くらい。しかし、話はそんなに悪くない。後期の怪獣同士の対決物ではなく、人間対怪獣の構図で、当時の自衛隊の飛行機・戦車・軍艦等が実写で映されており、貴重な映像でワクワクする。勿論、円谷英二のミニチュアワークがメインだが、現状の装備で戦う姿勢は、良く言えば「シン・ゴジラ」の原点か。 他の二作「宇宙大怪獣 ドゴラ」は子供の頃、近所の映画館で見て非常に怖い思いをした記憶があるのだが、今見るとそれ程でもなかった。若林映子のバンプ的悪女が印象に残る。「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」は、第一次怪獣ブームも去った後期の作品で自分も見ていなかったが(既に高校生になっていたためだが、当時は怪獣映画は小・中学生が見るものという感じだった)、ゲゾラ等の怪獣たちがユニークではあるが、これも一番印象に残るのは、島娘役の小林夕岐子のミニ姿という事になる。