<関ヶ原合戦>から150年も経ったような宝暦年間(1750年代頃)、薩摩の島津家に対して幕府はこの「御手伝普請」を命じた。遂行すべく工事は、木曽川、長良川、揖斐川が複雑に絡み合って流れる、尾張・美濃・伊勢に跨る地域での治水工事である。気が遠くなるような大工事だ。 平田靱負は島津家の国元に在った6人の家老の1人で、「御手伝普請」を受けざるを得ない中、方々に頭を下げて廻る役に他ならない“総奉行”は、自身が引き受けなければなるまいと考えて手を挙げる。そして苦難に満ちた任務が始まるのである。 利害関係者が非常に多く、色々と面倒な条件を幕府側に押し付けられて工事に取組む薩摩の島津家が最初から信頼されているのでもない。そういう中で、「懸命に働く姿」で人々が動かされるという顛末が爽快である。 少し夢中になって、ドンドン読み進めて素早く読了に至ったが、何か「読後感」が好い物語だ。