2年に一冊のペースでしか邦訳版が出ないのに、2017年の「警視の挑戦」あたりから、解決の方向性もわからない匂わせるだけの思わせぶりなエピソードが織り込まれてきていて、正直うんざりしていました。前巻の「警視の謀略」にいたっては読み飛ばしたようなありさまです。それらすべてが、この巻で吹き飛ばされてます。一方で、大きな流れを盛り上げて収集をつけようと意識しすぎているのか、謎解きの方は淡白で、ミステリーというよりサスペンスに近い感もあります。とはいえ、この厚さを最後まで一気に読ませる吸引力は素晴らしいものです。まさに「読書」の醍醐味を堪能し、かつすっきりしたので星五つです。