庶民層の年中行事事典

能に象徴される古典芸能が、上層武士から広まったのと対照的に、本書に納められた歳時、すなわち年中行事は、庶民層から広まったものです。ところがページを開くと、おおよそ平易に読める内容ではないと、痛感させられます。これらの年中行事と、現代に生きるわれわれとの距離が、救いようもなく開いてしまったのでしょうか。文庫ながら事典と称すべき体裁に仕上がったのは、民俗学の泰斗、小川直之氏の並々ならぬ情熱の賜物です。