自分とこどもへ

新美南吉自身の母恋しい思いと、生い立ちによる人に対する思いなどがしみじみと伝わってくる、奥深い童話です。子供には子狐がどうなるか、ドキドキハラハラする気持ちにさせます。読んでいる親は、母狐の気持ちや人間の母の歌声のシーン、無邪気な子狐の言葉にゆさぶられて涙が出てきます。でも絵本の最後の文章に南吉の世界感が現れており、切なく奥深い挿絵とあいまって、大変心に残る絵本です。美しい日本語の絵本です。