藤沢さんのエッセーは、私がまだ20、30代に読んだ時とは違う感慨をもたらしてくれました。穏健な立ち位置で、郷里山形のこと、今の世の中のことをじんわり語ってくれていて、ああ、こんな人が書き綴った時代小説だったから、心に響いたんだ、とよくよく納得できます。読書記録的な文章もあって、そこからたどって別の作家に手を出すきっかけもくれました。もっと長く書き続けていただきたかった、と改めて思います。