スクールカウンセラー本の中では斬新

スクールカウンセラーは学校で困ったことがあるとひたすら話を聞いてくれる人、というイメージが持たれがちである。しかし、この本では、スクールカウンセラーが生徒や保護者、先生のために色々な主張と交渉をしながらサポートしてくれている様子が分かりやすく描かれている。黒沢幸子先生の「解決志向アプローチ」や窪田由紀先生の「学校緊急支援」の視点からもスキルを学ぶことができ、執筆陣もとても経験豊かな先生方で贅沢な一冊と言えよう。また、非常勤が多いスクールカウンセラーには珍しい、常勤型のスクールカウンセラーの働き方も公立と私学それぞれが紹介されていて、とても興味深く読むことができた。 帯は東畑開人氏で、「この本を読むとはっきりわかる。スクールカウンセラーはつながりの専門家である。ということは、教室で、職員室で、地域で、孤立と戦う専門家である」という文言も良い。 さらに、学術系の本にしては珍しくかわいらしい表紙も目を引く。会議をしているシーンのようだが、ほ乳類・鳥類・爬虫類・海棲ほ乳類と、まさに多種=多職種を示しているように思う。詳細まで工夫が凝らされており、熱意を持ってこの本を作り上げられた様子もとても好感を持てた。 この本は、スクールカウンセラーだけでなく、スクールカウンセラーを目指す学生、学校でスクールカウンセラーとどのように協働していくかを模索中の教員、スクールカウンセラーがどんなことをしているか知りたい人、などなど、色々な人が読んでも楽しめるうえに勉強になる一冊だと思った。