学生時代は、数学の授業は上手に教えてくれる先生が立派で、テストでは模範解答に近い解答を書く事に躍起になり、大人となった今は数学の公式もその意味もほとんど忘れている。テストの順位を上げる為に自分さえ分かっていれば良いと考えて友達と共に問題に取り組む経験も記憶がない。「数学を勉強する意味は、論理的な思考を形成する為に必要」と教えられ、当時はそれを信じて勉強したが、「紆余曲折・試行錯誤があっての数学という学問の成り立ち」からはかけ離れた勉強方法で果たしてそれが今自分に身に付いているのか。 「答えのない教室」で学ぶ生徒は、考える習慣が身につき、問題を3人で協働して解き進めていくコミュニケーション能力が養成される。そんな生徒が今後の社会で活躍する事は疑いの余地がない。この本は、もちろん教育者や研究者に読んで貰いたい本だが、もっと広く読まれるべき本であり、3人の幼児を持つ私としては、一刻も早く「答えのない教室」が広く認知され、日本の教育の現場で動き出してくれる事を切に願う。 あの優しくお茶目だった筆者が、青年時代に積極的不登校からカナダでの自分探し、その後沢山の人に出会い辿り着いた教育法。この本を手に取って、臨場感を味わいながら体験して頂きたい。