「黒蜥蜴」はもう一作ある

タイトル・バックが素晴らしい。京マチ子(黒蜥蜴)が鞭を振るって、変な踊りを見せるのである。シュールかつ斬新。このオープニングは、如何にもベテランの才人井上梅次監督らしいと言えばいえる。 黒蜥蜴と言えば、現在は美輪(丸山)明宏が有名だが、この作品の京マチ子の立ち居振る舞い、その様々な衣装も良い(男装で踊るように歩いたり)。 原作小説は江戸川乱歩だが、それを三島由紀夫が戯曲化し、美輪が演じた舞台を映画化したのが深作欣二監督で、この作品の6年後になる1968年公開。しかし、この作品は一度もDVD化されたことがなく、深作作品のなかでも幻の作品となっている。大映版がブルーレイ化出来て、深作(松竹)版が出来ないということは、主演の美輪の事情によるのか、権利関係が複雑なのか?松竹さんには、これに合わせて是非ブルーレイ化して欲しいものである。松竹も一時旧作を「あの頃映画」と称して、結構ブルーレイ(DVD)化してくれたが、ここ数年はさっぱりである。余程売れなかった(商売にならなかった)と推察でき、企業の経営の論理としては理解できなくはないのだが、映画は映像文化でもあるので、そこのところは少し目をつぶって、お願いしたいものである。