冒頭に単発3点を経て、愛知編へ。ミニモ/ゆとりーとライン、愛知環状鉄道/城北線、リニア・鉄道館、水素ハイブリッド電車HYBARIなど。ほぼすべての話で旧作エピソードの登場人物を積極的にリサイクルしているにもかかわらず、不思議と二番煎じを感じさせないのは、次々と繰り出される新たな鉄道ネタがプロットの主軸をなしており、キャラ依存が少ないからだろう。原作者の博識と力量のほどが窺われる。本作には珍しい、仙露とのぞみの関係性の展開を示唆する話も出てくるが、原作者が文章コラムでそれに言及するのはいくぶん興醒めにも感じられる。本当にのぞみは鉄男の異母妹なのかという疑惑は、これまで慎重にヴェールに包まれており、そのミステリアスな設定が本作の隠し味になっているというのに。