初読の感想です。「世界の独在論的存在構造」というこのタイトル自体が的確にこの本の内容を現していると思いました。この本での思考の試行はその構造を探求することに向かっていて、それがゆえに微妙に違いながら同じテーマを螺旋状に思考試行するような進み方をするので、それで最初のうちは「なぜここでもうこうだと、これ以外なかろうと、そういうところが見えているのにまた、螺旋で考えていかなくてはならないのか。読みにくい。」と感じる所がありました。が、それは哲学者の関心と(とりあえずわたしという)読者の関心のありどころが違うだけで、この本は哲学する本なのだとそのうちに腑に落ちました(哲学書はあまり読んだ事がありません)。他者のわかりえなさ、「わたし」のわかりえなさ、それがありながらの社会生活の在り様の捉え方・考え方というところに自分の関心はあるのですが、そこを考えるのにこの本で探求されているところのこの「存在構造」の認識は必要不可欠なのではと考えています。ここを飛ばしてしまっているからこそ、いままで読んできたものに、飛躍や決めつけを見出しては納得できずにきたのかと思いました。