メラニー・クラインの自伝的生活史がよい

著者の翻訳は、けっしてこなれたものとはなっていないが、ジュリア・スィーガル は、彼女の生涯とその考え方などを、著者の観点からうまくまとめている。 当然のことながら、まったく精神分析のことを知らない人が読んでも、クラインの立場も分からないだろう。本格的な精神分析は、時間的にも、金銭的にも負担がかかるので、精神分析的アプローチ、それも、フロイト以後の、心理療法と結びついた考え方は、対人援助のみならず、人と接するときのヒントを与えてくれている。 今後、介護現場でも、コミュニケーションに、相互の関係性を生かしたアプローチも必要になってくるであろう。 クラインを知るには、本人の著作にも当たらなければならないが、精神分析について、多少とも知識のある人には、有用であろう。