ブルーレイで出して欲しい

もうこの小説は何回映画化、テレビドラマ化されているのだろうかと思って調べてみたら、Wikipediaによると11回、もはや日本の「古典」ドラマと言って良いだろう。こうなると、推理小説だがもはや犯人やトリック等は万人に知れ渡っている話だ。 NHKの金田一耕助シリーズは長谷川博己による「獄門島」から始まって、二作目は何故か吉岡秀隆に変わって「悪魔が来りて笛を吹く」。BS放送とはいえとてもNHKのドラマとも思えない危ない内容で、良くぞ作ったものだ。三作目は順当に「八つ墓村」、ここまでは約2時間の作品だったので、横溝正史の長編小説に対しては尺が足りないと思ったが、今作は1時間30分の前・後編に分けて全編約3時間と尺をたっぷりと取ったのはさすがNHKだ。 しかし、尺があり過ぎて思ってもみなかった新展開には吃驚。今までの作品は松子夫人が死んでエンドマークだが、本作は更にエピローグがあり、もうひと捻りしてある。ある人物が犬神家の全てを得るため2人を操る悪魔の計画を思いつき、それは善意か悪意かと金田一が迫る。この展開は原作にはなく、その指摘にその人は「金田一さん、あなた病気です」と言うが、まぁその通りで証拠はないので(本人の頭の中の計画なので)、信じるか信じないかは見る者次第だ。 これを言うと身も蓋もないが、自分には吉岡秀隆の金田一耕助はどうも馴染みがたく違和感がある、長谷川博己の金田一にはそれを感じなかったので、自分的には長谷川博己で続けて欲しかったシリーズである(多分、長谷川が断ったか?)。もっと言えば、やはり自分の世代には金田一耕助と言えば、石坂浩二であり、古谷一行である。また野々村珠代は絶世の美女という設定のはずだが、古川琴音は個性的な顔立ちで万人が認める美女とは言い難い。映画版(市川崑監督)の若き島田陽子、松嶋菜々子のキャスティングは納得できるものだったが。 また、何時もの事だがNHKのドラマのソフト化は、大河ドラマと朝ドラ以外は殆どDVDのみの発売でブルーレイを出さない。この金田一シリーズは映画以上の斬新な映像表現も売りのひとつなのだから、ブルーレイには特に相応しいと思うのだが。テレビではBS4Kの高画質で放映していながら、ソフト化はDVDのみとはビデオ販売の担当者は何を考えているのか、矛盾している(高画質で見たければ放送を見ろよ、BSに加入しろよということか)。