歌うリズム

ラジオで久しぶりに「魔笛」序曲を聴いて、それがヴァルターだと気付かないまま「いい『魔笛』だなあ」と溜息を洩らして、演奏後のアナウンスで指揮がヴァルターだと知った。 ごく若い頃、ヴァルターのモーツアルトやベートーベンをこのんで聴いていたのだが、そういえば序曲集のLPは買わなかったと思い出して、購入することにした。 クレシェンドやデクレシェンド、音のダイナミズムやテンポの揺らぎではなく、リズムや間合いで歌を感じさせてくれる。きびきびした歯切れのよい音の運びで、ねっとりしたところの全くない、むしろ適度に乾いた音楽なのに強い歌力を感じさせる。オケにも変な癖は無く、ごく素直で素朴な音で応えているのが更にいい。 あらためて、久しぶりに、ヴァルターの歌うリズムを堪能できた。