芝居と時代
中村敦夫氏の朗読劇「線量計が鳴る」を観たのが、平成30年8月。そして同年末に本書を読んだ。中村氏は小学校から高校1年までをいわき市で過ごし、柳氏は現在、南相馬市住まい。ともに原発をモチーフに採るのは当然だろう。違いは、中村氏が俳優座という新劇の世界で育ったのに対し、柳氏が小劇場の劇作家だったこと。更には岸田國士賞のみならず芥川賞も獲っていて、つまり純文学の書き手であり、こうした作家特有の独りよがりな面が「街の形見」にはある。尤も、30年近く前に書いた「静物画」をリライトし、高校演劇に供しているのだから、芝居の世界そのものが変わってきていると言う事か。新劇は最早、博物館?
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