ソビエト(映画)の全盛時代

ソビエト映画と言えば、自分が思い出すのはトルストイの長編小説を映画化した「戦争と平和」(セルゲーイ・ボンダルチューク監督)、6時間半を超える超大作。またヒロインナターシャを演じたリュドミラ・サベーリエワがとにかく美しく、子供心にソ連にはこんな美しい人がいるんだと思ったものである。 その他ではこの「モスクワ大攻防戦」と同じ監督の「ヨーロッパの解放」。とにかく60年代は国威発揚を兼ねて、超々大作を連発していたイメージがある。芸術的な面では「惑星ソラリス」のアンドレイ・タルコフスキー監督作品が忘れがたい(「僕の村は戦場だった」。「ストーカー」等)。わが黒澤明監督に予算無制限で「デルス・ウザーラ」を撮らせたのもソ連(モスフィルム)だ。70~80年代まではソビエト映画はそこそこ公開されていたと思うが、ロシアになってからの近年は、まだモスフィルムは在るみたいだが、あまりその作品を聞かない。 この「モスクワ大攻防戦」も二部作で約6時間、良く言えばドキュメンタリータッチだが、何かメリハリがなく、延々とドイツと戦争をやっているなぁという印象。しかし、戦闘シーンの迫力は相当なもので、本物の戦車と兵士を大量動員し戦争を再現している。この物語のソ連の将校たちは実在の人物だというが、日本人には馴染みがなく、寧ろヒトラーやスターリンが出てくるシーンに、本物そっくりだなと魅かれてしまう。