「悲しみ」の物語

大変申し訳無いのですが、私は手塚治虫先生の原作を読んだ事がありません。本作品を読む時は、浦沢直樹先生のドラマティックな表現力を楽しんでいます。 物語も終盤なのでしょうか、いままで物語をリードしてきたあのロボットに大きな出来事が起こります。奥さんが号泣するシーンに胸が締め付けられます。身近な人を失う悲しみが、これほど伝わってくるシーンは他に無いでしょう。 このシーンは映画、テレビドラマ、アニメではだめ。劇画でなければ、これだけドラマティックな表現はできないのではないかと思うほどです。浦沢先生凄い! 戦争がもたらす悲しみ、憎しみがもたらす悲しみ、そして人間の欲望がもたらす悲しみ。「悲しみ」が基調となっている物語ですが、希望が持てるラストになればいいなと思います。