天衣無縫の中での抱腹絶倒w
取り敢えずは、日本の歴史の中でもこれほどの数奇な人物を取り上げ、漫画の域を超えるほどの読み応えのある作品を世に知らしめてくれた水木しげる戦線には感謝したい。
一体全体、どれほどの人間がこの作品を目にする前に南方熊楠という人物の名を知っていたのか不思議に思う次第である。
とにかく、この南方熊楠、脚色はあれど無茶苦茶な人物で、官僚・貴族・学者などの肩書きもないのに渡英し、大英博物館の嘱託員になったり、孫文と親交を深めたりとにわかに信じられない生涯をおくっている。(本編でも出てくるが、ある程度の富豪でも明治期に渡英なんて言うのは金がかかるどころの話でないw)
加えて、それらが常識の範疇の中での行動とは全く思えず、異国でもゲロは吐きまくるは、裸でいるのは日常茶飯事のことだはでまさに漫画から飛び出してきたような人物像と言っても過言では無かろう。
また、専門は粘菌についての研究であるが、民俗学にもやたら詳しく、生命についての追求を宗教と絡める持論は明治期の人間とすれば先進的すぎた人物だった事に間違いはないだろう。
こうかくと、何だか堅そうな内容と捉えられがちだが、話の大部分は下ネタを中心に、荒唐無稽な活躍を描いているので話の展開としては退屈することなく時間を忘れて没頭できること受け合いであるw
付随して、他書「昭和史」ではナビゲーターとしてねずみ男が頻繁に出てきていたが、この書では、タイトルにもなっている「猫楠」を初めとする数匹の猫の活躍が良い脚色として作品に色合いをつけていっていると言っていい。
ノリはなんだか「じゃりン子チエ」のコテツとかを思い出してしまうがw
しかしながら、個人的に残念な点を例示するとするのであるならば、多才・大学者には間違いはなかったとは思うものの、本職である粘菌の研究が当時何処まで凄く、また後世にどれほど役立ったかと入ったところが不明だった点。
また、無位無冠にこだわりが全く無いというのは「南方熊楠」の童心の凄いところであると思うのだが、資金援助は晩年まで殆ど弟からの仕送りでやりくりしていたというのがかなり情けなく感じたw (まあ、本当に一般人の常識が通用しない様な相手ですからね-。)
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