話題の本
テレ東の早朝のモーニングサテライトのビジネス書のランキングで長期にわたりずーっとTOP5に入っていて気になっていました。タイトルからありがちな処世術のような本なのかと思っていましたが、サブタイトルが赤字で小さく書かれていて、アドラー心理学の入門書のような内容だったのですね。フロイトやユングといった心理学者は知っていましたが、確かにこのアドラーは日本ではあまり知られていませんね。私も全く知りませんでした。
ソクラテスの教えはその対話内容を弟子のプラトンが書物として残したから知ることができますが、本書はそれにならいアドラー心理学の信奉者である哲学者とその哲学者のもとを訪れた悩み多き青年との対話形式でアドラー心理学のエッセンスを紹介する内容になっています。
アドラーの教え(哲学)はこれまでの常識とか一般的な考えを真っ向から覆すものであり、フロイト心理学のトラウマ等の『原因論』との対極をなす徹底した『目的論』に根ざすものであり、過去や未来にとらわれあれこれ思い悩むのは無意味で、今その瞬間瞬間(本書では『刹那』といっていました)を精一杯生きることが大切といった内容も後半のクライマックスで書かれていたりしました。
確かにあらゆる悩みの根源は『人間関係』に起因するものであり、アドラーのいう方法論に従い、実践すればもっとシンプルに楽しく生きられると、単純明快にアドラーは言っているのですが、そのとおりに実践して本当に自分らしく生きられるようになるのは容易ではないと思います(アドラーの方法論を実践することの勇気を象徴的に表しているのが本のタイトルでもある『嫌われる勇気』ということになります)。
これまでの生き方を変えてアドラーの哲学を体得するにはそれまで生きてきた時間の半分がかかるとも書かれていました(中高年以上の方には残念ですが・・なので若い方ほどおすすめ)。
とにかく書かれている内容(哲学)は、フロイト、ユング等の現在の主流派の考えを根底から覆す斬新なもので、現在いろいろ人生に悩んでいる人にとって、その悩みを解消するための示唆を与えてくれるかもしれない哲学だと思います。ですが、それを実践してシンプルに愉快に人生を生きることができるかはかなり個人の資質によるところが大きいと思われ、容易ではないと思います(私はある種の悟りの境地的なことも求められているとも感じました)。
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