主人公のもどかしさに感情移入してしまう
「推し」出演作品を逐一チェックし解釈することを生き甲斐にしている高校生の主人公あかり。
目の前の情報に筋道を立てて整理する事が極端に苦手なあかりには周囲の言う「普通」ができない。読み進めるにつれて明らかになるのは、生きているだけで皺寄せがくるようなあかりの日常の傷ましさだった。
タイトルから「ファン心理」または「推しを持った特殊な人」を観察した作品かと思いきや、日常の中で何かを頼りにしながら社会の中で困難を抱えて生きざるを得ない人の姿と、そんな人を救いきれない社会のやりきれなさが描かれている。
自分が感じた本作の魅力は、うまく言葉に表せないあかりの中に渦巻く感情や困難な状況を、血潮や呼吸、筋肉の動きなど緻密な身体の変化や反応の表現。
強い思いや衝動があるのに、頭を過ぎる考えがあるのに、それに反して思うように咄嗟の言葉が、表現が出てこない・追いつかない、あかりのもどかしさに感情移入してしまう。
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