真剣にフェミニズムやリアルタイムで起きた性差別の問題ついて取り上げ、何が問題だったのか明確に指摘しながらも、章毎に幾度となく仕込まれたJJ(熟女)単語やSF(すこしふしぎ)現象、ネタの数々、キレと疾走感溢れる文章に笑いが止まらない。
テレビの解説、Youtube動画、書籍・映画などのレビュー、自分自身の感想で「わかりやすい」を肯定として使う場合が多々ある。 本書はそんな「わかりやすい」が持て囃されると同時に日本語がどんどん「易しく」「わかりやすく」なること、機微や行間のような部分が排除され、受け取る側が想像する余白のない、ストレートで額面通りにキャッチできる伝え方が重宝されてしまう傾向に一石を投じる。 前半は主に「分からないことはそのままにしておく」余地について語り(ちょっと“わかりづらい”文章が多いかも)、 後半は実際の出来事を挙げて「わかりやすさ」が「雑」をもたらす危険性(メディアの主張の加工、ネット論客が使う暴力的な断定、居場所を与えてはいけない主張に居場所を与えてしまうこと)について語られている。 理解までの最短距離と効率化を優先し、「わかりやすくないもの」を理解しようとしなくなった結果、感覚や自分で考える感情表現の選択肢が損なわれ「雑」になっていく危険性について本書で自らに警鐘を鳴らしてみては。
「推し」出演作品を逐一チェックし解釈することを生き甲斐にしている高校生の主人公あかり。 目の前の情報に筋道を立てて整理する事が極端に苦手なあかりには周囲の言う「普通」ができない。読み進めるにつれて明らかになるのは、生きているだけで皺寄せがくるようなあかりの日常の傷ましさだった。 タイトルから「ファン心理」または「推しを持った特殊な人」を観察した作品かと思いきや、日常の中で何かを頼りにしながら社会の中で困難を抱えて生きざるを得ない人の姿と、そんな人を救いきれない社会のやりきれなさが描かれている。 自分が感じた本作の魅力は、うまく言葉に表せないあかりの中に渦巻く感情や困難な状況を、血潮や呼吸、筋肉の動きなど緻密な身体の変化や反応の表現。 強い思いや衝動があるのに、頭を過ぎる考えがあるのに、それに反して思うように咄嗟の言葉が、表現が出てこない・追いつかない、あかりのもどかしさに感情移入してしまう。
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フェミニズムに出会って長生きしたくなった。
真剣にフェミニズムやリアルタイムで起きた性差別の問題ついて取り上げ、何が問題だったのか明確に指摘しながらも、章毎に幾度となく仕込まれたJJ(熟女)単語やSF(すこしふしぎ)現象、ネタの数々、キレと疾走感溢れる文章に笑いが止まらない。
わかりやすさの罪
テレビの解説、Youtube動画、書籍・映画などのレビュー、自分自身の感想で「わかりやすい」を肯定として使う場合が多々ある。 本書はそんな「わかりやすい」が持て囃されると同時に日本語がどんどん「易しく」「わかりやすく」なること、機微や行間のような部分が排除され、受け取る側が想像する余白のない、ストレートで額面通りにキャッチできる伝え方が重宝されてしまう傾向に一石を投じる。 前半は主に「分からないことはそのままにしておく」余地について語り(ちょっと“わかりづらい”文章が多いかも)、 後半は実際の出来事を挙げて「わかりやすさ」が「雑」をもたらす危険性(メディアの主張の加工、ネット論客が使う暴力的な断定、居場所を与えてはいけない主張に居場所を与えてしまうこと)について語られている。 理解までの最短距離と効率化を優先し、「わかりやすくないもの」を理解しようとしなくなった結果、感覚や自分で考える感情表現の選択肢が損なわれ「雑」になっていく危険性について本書で自らに警鐘を鳴らしてみては。
推し、燃ゆ
「推し」出演作品を逐一チェックし解釈することを生き甲斐にしている高校生の主人公あかり。 目の前の情報に筋道を立てて整理する事が極端に苦手なあかりには周囲の言う「普通」ができない。読み進めるにつれて明らかになるのは、生きているだけで皺寄せがくるようなあかりの日常の傷ましさだった。 タイトルから「ファン心理」または「推しを持った特殊な人」を観察した作品かと思いきや、日常の中で何かを頼りにしながら社会の中で困難を抱えて生きざるを得ない人の姿と、そんな人を救いきれない社会のやりきれなさが描かれている。 自分が感じた本作の魅力は、うまく言葉に表せないあかりの中に渦巻く感情や困難な状況を、血潮や呼吸、筋肉の動きなど緻密な身体の変化や反応の表現。 強い思いや衝動があるのに、頭を過ぎる考えがあるのに、それに反して思うように咄嗟の言葉が、表現が出てこない・追いつかない、あかりのもどかしさに感情移入してしまう。