本作は神経科の医師の物語ですが、神経科の患者に限らず不幸なことから抜け出すにはやはり人が必要だと思い知らされました。それは最後の「義雄は以前よりちょっと、人間が好きになった。」という一文で著者が意図していることでもあると思いました。 また、物語はすべて患者の視点から書かれており、伊良部やマユミちゃんの意図(もしくは無意識)が表現されていないことに想像を掻き立てられました。