昭和42年版からの買い替え

あまりにも有名な小説ですので、どうレビューしたらよいのやら・・。 これを初めて読んだ当時19歳の私は、どういうわけかデカダンスに惹かれていて、 この「問題作」にもはまってしまったのです。 それ以来、時に、若い頃とは逆に酷く嫌悪感を抱いたりしながらも繰返し読んできて、 経年劣化で読むのに支障が出る程になり、今回新たに購入したという次第です。 改版でどう変わったかをお伝えしたいと思います。 今回購入した版は、[平成18年156刷改版 平成23年189刷]。 私が持っていた版は、[昭和42年42刷改版 昭和49年61刷]でした。かなりの古本。 購入前の予想どおり、現在のものはフォントサイズがかなり大きくなっています。 手持ちの他の太宰の文庫本で、昭和62年82刷改版の「斜陽」を見てみると、 その時点で既に若干大きめのフォントになっており、この版はそれより更に大きいです。 昭和42年版では老眼鏡をかけても少し読み辛かった(紙の酷い黄変もあって)のですが、 新たに購入した方は、裸眼でも何とか読めます。 ただ、それを有難いことだと思いながらも、 長年親しんだものと比べると頁を開いた時の「風景」がほんの少々違う感じが 何となく寂しい・・手触りなんかも・・これは仕方ないですね。 しかし、今一度新鮮な気持ちで読むのも悪くないかもしれません。 文学作品に関しては、電子ブック読書は私には無理だなあと思ってしまいました。 カバーに関しては、私は古本屋でカバーなし20円というものを購入したので、 現在の物と表紙のデザインなど同様なのかは分かりません。 何年か前に鮮やかなピンク一色の限定カバーが出された時はかなり売れたそうですね。 その他、奥野健男氏による解説や、年表といった内容に関しては以前と同様です。 私の場合、前述のように愛着のある本に近い風景で読みたいということで 新潮文庫版を選択しましたが、そういった特殊な事情のない方は、 「人間失格」を含む代表作数篇を一冊に収めた文庫版もあったりしますので、 いろいろ検討されるのが宜しいかと思います。