海辺のカフカ(下)

いよいよ、不可解な展開も終局に向かって進みます。カフカ少年の父親の予言「父を殺して、母と姉と交わる」は果たして不可避なものなのか?結局、カフカ少年=ナカタさん(分身のような者として)であれば、父殺しは実行された事になる。佐伯さん、さくらさんがカフカ少年と血の繋がりがあれば後者も実行されたことになるが、はっきりした結論は出てこない。読者の受取り方に委ねられている。その他の登場人物についても多くの疑問が残るが、これが村上春樹ワールドの真骨頂である。何れにしても読み応えのある作品であった。しかし、村上作品を初めて読む方には「風の歌を聴け」から始まる初期作品を先に読まれることをお薦めします。