伊坂幸太郎のデビュー作。なるほど、ここから伊坂幸太郎の世界が始まったのだなと思える作品です。最後にきて全てが明らかになり、悪人はきれいさっぱり始末される。最近の作品に比べると、勧善懲悪的な要素が特に明瞭な気がします。 ファンタジックなミステリーというか、ミステリックなファンタジーです。頁数の割には、さらっと読み進められるハッピーエンドなストーリーです。
誰でも騙されるストーリー!!! 現在と2年前の話が交互に出てくる構成。だんだんに2つの話がつながって最後の結末を迎える。読みやすく分かりやすい展開なのに、最後にきて唖然としながら、全ての疑問が解消するという緻密なストーリー。楽しめました。
暗い過去を背負いながらも揺るぎない家族の絆の大切さを思い知しらさせられる良い小説でした。 【以下ネタバレ】 主人公の「泉水」、母親がレイプされ生まれた弟の「春」そして癌で入院中の父親の3人が町内で起こっている連続放火事件を解明する話し。余談ですが「泉水」と「春」どちらも英語で書くと「Spring」です。。。 放火事件現場の近くの壁には必ずグラフィックアートの文字が書かれている。読み進めるうちに犯人が誰かは見当が付いてくる。きっと最後にどんでん返しがあって別の犯人が出てくるに違いないと思いたいが、結局は作者の意図通り多くの読者の悪い予感が当たる。 話の中のところどころで父親の家族を守る姿勢に心を動かされ、改めて家族の絆とは何かを考えさせられました。 「泉水」と「春」を分け隔てなく育て、常日頃「俺たちは最強の家族だ」と胸を張る父親の姿。主人公に春の出生の秘密をはじめて話した夜に「レイプ事件なんて無数にあるんだろうから。妊娠した子を堕ろす人もいるし、産む人もいる。どっちが正しいと思う?正解なんてないんだろうな」と父親が言う。 末期癌の手術前に父親が春に「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と言う。染色体であるとか、遺伝子であるとか、血の繋がりであるとか、そういったものを、父は軽々と飛び越えてしまった。 ちょうどサーカスのピエロが空中ブランコで飛び移る時に重力が消えるように。。。
村上春樹さんの小説の中ではあまり評価の高くない作品ですが、村上さんならではの作品ですきですね~。誰もが持っている幻想を描いたおもしろい作品だと思います。見方によってはちょっと怖い話かもしれません。 私たちも日常接してる人たち以上に過去の幻影が影響を与えていることがあるかもしれない。それも自分たちが勝手に膨らませすぎた幻影が。。。
楽しい切れの良い作品が満載です。 村上さんの短編にはよくありますが、いくつかの作品は長編のためのエッセンス部分であったりします。短編の中で「彼女の街と、彼女の緬羊」と「図書館奇譚」は「羊をめぐる冒険」や「ダンス・ダンス・ダンス」の外伝的な話です。 村上春樹さんのファンの方には村上さんに直に触れることができるような楽しい短編集です。村上さんの作品にあまり縁のない方には、平易な文章で綴られているのに何が言いたいのだろうと消化不良的気分になる作品かもしれません。。。
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オーデュボンの祈り
伊坂幸太郎のデビュー作。なるほど、ここから伊坂幸太郎の世界が始まったのだなと思える作品です。最後にきて全てが明らかになり、悪人はきれいさっぱり始末される。最近の作品に比べると、勧善懲悪的な要素が特に明瞭な気がします。 ファンタジックなミステリーというか、ミステリックなファンタジーです。頁数の割には、さらっと読み進められるハッピーエンドなストーリーです。
アヒルと鴨のコインロッカー
誰でも騙されるストーリー!!! 現在と2年前の話が交互に出てくる構成。だんだんに2つの話がつながって最後の結末を迎える。読みやすく分かりやすい展開なのに、最後にきて唖然としながら、全ての疑問が解消するという緻密なストーリー。楽しめました。
重力ピエロ
暗い過去を背負いながらも揺るぎない家族の絆の大切さを思い知しらさせられる良い小説でした。 【以下ネタバレ】 主人公の「泉水」、母親がレイプされ生まれた弟の「春」そして癌で入院中の父親の3人が町内で起こっている連続放火事件を解明する話し。余談ですが「泉水」と「春」どちらも英語で書くと「Spring」です。。。 放火事件現場の近くの壁には必ずグラフィックアートの文字が書かれている。読み進めるうちに犯人が誰かは見当が付いてくる。きっと最後にどんでん返しがあって別の犯人が出てくるに違いないと思いたいが、結局は作者の意図通り多くの読者の悪い予感が当たる。 話の中のところどころで父親の家族を守る姿勢に心を動かされ、改めて家族の絆とは何かを考えさせられました。 「泉水」と「春」を分け隔てなく育て、常日頃「俺たちは最強の家族だ」と胸を張る父親の姿。主人公に春の出生の秘密をはじめて話した夜に「レイプ事件なんて無数にあるんだろうから。妊娠した子を堕ろす人もいるし、産む人もいる。どっちが正しいと思う?正解なんてないんだろうな」と父親が言う。 末期癌の手術前に父親が春に「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と言う。染色体であるとか、遺伝子であるとか、血の繋がりであるとか、そういったものを、父は軽々と飛び越えてしまった。 ちょうどサーカスのピエロが空中ブランコで飛び移る時に重力が消えるように。。。
国境の南、太陽の西
村上春樹さんの小説の中ではあまり評価の高くない作品ですが、村上さんならではの作品ですきですね~。誰もが持っている幻想を描いたおもしろい作品だと思います。見方によってはちょっと怖い話かもしれません。 私たちも日常接してる人たち以上に過去の幻影が影響を与えていることがあるかもしれない。それも自分たちが勝手に膨らませすぎた幻影が。。。
カンガルー日和
楽しい切れの良い作品が満載です。 村上さんの短編にはよくありますが、いくつかの作品は長編のためのエッセンス部分であったりします。短編の中で「彼女の街と、彼女の緬羊」と「図書館奇譚」は「羊をめぐる冒険」や「ダンス・ダンス・ダンス」の外伝的な話です。 村上春樹さんのファンの方には村上さんに直に触れることができるような楽しい短編集です。村上さんの作品にあまり縁のない方には、平易な文章で綴られているのに何が言いたいのだろうと消化不良的気分になる作品かもしれません。。。