一気読み!

導入部から拘置所に在監中の死刑囚を登場させ、題名を印象付ける。これは本書の主題である死刑囚の冤罪を晴らすためのミステリーの幕開けなのだが、第4章で刑務官・南郷が語る死刑執行の一連の流れは、思わず息をのむ筆致だった。死刑賛否論の中に、刑務官が負う十字架はふつう議論されない。しかし、人の首に縄を掛け、執行後に亡骸を処置する人間の気持ちを思うと、何ともやるせなくなった。後半の謎解きは、そして誰が犯人だったか、死刑囚はどうなったか・・・読み進めるのがもどかしいくらい一気に読み、複雑な気持ちを残して読了。