「バカ」感を支える緻密なプロットと伏線

「ホルモー」という、もののけ使役合戦みたいなゲームに巻き込まれた、さまざまな意味で残念な大学生たちの、意外とシンプルな青春ストーリーでした。 この作品がただのハチャメチャな物語で終わらない理由は幾つもあります。 たとえば、京都界隈のきちんとした描写、かっちりとした物語の構成、人物の造形の確かさ、そして絶妙な伏線の張り巡らし方、などです。 文体は主人公の一人称によるもので、卑屈さと自意識の入り混じる、残念キャラのお兄さんの独白に、ニヤニヤと笑ってしまうこと請け合いです。彼の内的な成長を軸に恋愛を絡めたストーリー、というと、普通はありきたりになるものなのですが、そうはいかない。 もう少し言えば、根本のストーリーが「ありきたりで王道」の青春恋愛ものだからこそ、奇妙な異界の生き物が蠢くストーリーが生きる、とでもいうのでしょうか。 わたしは好きですが、この物語の序盤と中盤を結ぶ位置に出てくる「儀式」のシーンが好きなら、全部好きになれると思います。抽象的ですが、そのシーンも含めて星4つです。