下町人情とおいしそうな料理にほっこり!

中学校の社会科の本で、徳川家康の食べていた食事として、お膳に乗った料理の写真を見た記憶がありますが、これが天下を取った将軍の食事?とその質素さに驚いた記憶があります。この本を読んで、この物語の舞台1810年代あたりの江戸では、庶民でもこんなおいしそうなものが食べられるようになっていたのかと驚きました。 料理の魅力と並んで読むものを惹きつけるのが、江戸の庶民の人情です。「雲外蒼天」の相を持つというヒロイン澪は次から次へと困難に出合いますが、周りの人々の愛や情に助けられて乗り越えていきます。出てくる人物一人ひとりがきちんと描かれていますが、とりわけ長屋のお隣さん、大工の伊佐三夫婦は魅力的です。みなしごをひきとって愛情いっぱいに育てていて、それをまったく当たり前のことのようにしています。澪の使う流しが低くて身体に負担がかかっていることが分かると、つぎに俺の女房が手伝う時使いやすいように、勝手に女房のために直すのだから御代はいらねえ・・・ってカッコ良すぎでしょ伊佐三さん! ぜひぜひ続編を読み進もう!と思います。