本書は、実際に起きてしまった事件に纏わる内容である。が、読後には「事実は小説よりも奇なり」という、少し言い古された諺を想い起さざるを得ない。 母が被害者で、娘が加害者という事件についてという本書である。娘は逮捕された。或いはこの逮捕された女性は、「第三者」に来し方を語りたかったのかもしれない。著者はそれを真摯に受け止めて本書を綴ったということなのかもしれない。 綴られている内容を読む限り、母は「何か病んでいる?」というようにしか思えない。そして様々なやり方でそれと向き合う中、娘の方も「何処か病んでしまった?」ということなのかもしれない。何か、余りにも閉鎖的な人間関係の中で「病膏肓に入る」というようになって行き、この娘の父親というような人が手を差し伸べられずに苦しんでいるというような様子も伺える。 事件の関連事項を掘り下げて調べ、それを綴った本書なのだが、何か「手が込んだ小説」というようなモノを読んだ際のような読後感だ。何か引き込まれる本書であるが、或いは「病める時代」というモノを象徴的に物語るようなないようかもしれない。酷く考えさせられた一冊だ…