飼い主からはぐれたと思われるシェパードの雑種犬が様々な人々と交流しながら目的の場所へ向かう物語を短編形式で綴った作品。犬と交流する人々は皆何かしら悲しい運命を背負っており、そんな人たちが犬との交流によりひと時の心の救いを得られる。そして訪れる悲しい別れを繰り返しながら犬は南へ南へと向かう。 直木賞受賞作ということで購入しました。 簡潔な表現が運命に翻弄される人たちの人生をよりはっきりと際立たせていたと思います。 ハッピーエンドとは言えませんが、一匹の犬に心を救われた人々の姿が淡々とした文章で表現され、 お涙頂戴ものではないのに、涙を流さずにはいられませんでした。 猫派ですが、犬の物語もいいなぁと思えました。