一般小説にしては稚拙な文章

読み始めて最初に思ったのは、ライトノベルズのような文章だなということでした。一般小説でここまで稚拙な文章を読んだのは私は初めてで、正直びっくりしました。 あと「優しさの押し売り」という部分も多かったです。私はそこが鼻につきました。(単に私がひねくれているだけなのかもしれませんが) 誰もが普段から思っているだろう、見知らぬ他人に対する優しさをどう行動に移したらいいかということや、こうしたほうが人はお互い優しくなれるのに、ということ、弱者(男性に比べて体力のない女性だったり障害を持った人だったり)が普段どんな不条理にさらされているかなどを、改めて説教されているような…。しかも、それが登場人物の台詞の中で長々と語られたり、地の文で延々と説明されてたりするので、子供に言うならまだしも、大の大人にそんなことを改めて説教されても…、といった感じでしょうか。 小説なのだから、訴えたいことをただ文章にするのではなく、主人公の行動などから読み取らせたり行間を読ませるなどしないと、小説としては魅力的ではありません。 最後まで読んだのは、キャラクターに魅力があったからです。鳥井の口の悪さは気持ちよく、歳上に対して敬語を使わなくても許されるキャラというか。そこはよかったです。ただ、ちょっと鳥井と坂木の関係が、たとえ心に病を抱えていたという前提であっても、大人の男同士としてどうよ?という行きすぎなところもありました。少女小説に出てくる男の子同士みたいです。文章の稚拙さも手伝って、読後感はライトノベルズといった印象です。腰を据えて小説を読みたい時は物足りないです。しかし逆に、時間がない時や空き時間に読む小説としては、短編集ということもあっていいと思います。 散々文句を言いましたが、シリーズとして何冊か出てるみたいなのですが、もう読まないとも断言できないところに(手を伸ばすかもしれない)、私も気づいてない魅力があるのかもしれません。