意外にスリリング

有名なピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞。英語は読めない私にとっては朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第1位は評価すべき評価でした。購入の動機はこれら世間の評判に加えて題名と表紙のかっこよさ。マイナス面は上下巻それぞれ900円の値段でしょうか。かっこよさだけだと、この値段は考えてしまいます。 進化生物学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授の著者は、肩書き通りまじめな進行です。この本のように自然科学の本は私にとっていつもそうなのですが、最初の方が非常に退屈です。急に眠気が覚めるのは、やはり歴史上の虐殺、殺戮の場面についての記述です。マオリ族とモリオリ族との描写や、ピサロのインカ帝国侵略の流れ、これらは胸が痛くなりながら、なぜか興味を強くひかれる内容です。学術的な本にドラマのようなバイオレンスを求めているようで恥ずかしいのですが、名もない類人猿、ネアンデルタール人やクロマニョン人などについての記述より生々しく、現実味があり、身につまされるようになってクレッシェンドが始まります。 同じ考え方や事実の記述が繰り返されますが、私のように記憶が曖昧になって前のページに戻ったりすることが多い人間にとっては、非常に読みやすい内容です。 結論としては読まないと損する本です。