日本最大の獣害事件

本作のモチーフは、「三毛別羆事件」と呼ばれる国内では最も大きな獣害事件。 1915年、大正時代に北海道の三毛別で起きた、ヒグマによる開拓民の殺傷事件です。 最近TVで取り上げられたみたいですね。 ジャンル的にはドキュメント小説、ノンフィクションなんでしょうけど、ホラー的要素が多分に含まれています。 前半、1/3くらいまではゆっくりと確実に恐怖がつのっていきます。 こんなに怖いのにまだ、あんまりページがすすんでない!みたいな。 吉村さんの淡々とした文章が恐怖を増長させるのに一役、時間がゆっくりすすむ間隔が味わえます。 後半は解決に向けスピード感を増していきます。 でも羆に対する恐怖感は最後まで内包したまま。 すっきりとは終わりません。 長さとしては短編だと思うのですが、非常に満足感のある一冊でした。