人は皆、小学・中学・高校の集団生活を通して、社会性を帯びた人間になる術を学んでいく。勉強が出来ることよりも人間関係を円滑にやりくりすることに圧倒的に関心があったし、人間関係の難しさに神経が磨り減った。飛び上がるほど喜んだことや悔しくて泣き崩れた経験は誰だってあるだろう。悲喜こもごもが入り混じった日々の体験を通してしていっぱしの大人になっていく。この小説は、小学3年から高校3年までの9年間に主人公の身に起こった出来事を通して主人公が成長していく様が鮮やかに書かれている。先生、家族、友達、恋人、バイト仲間など、いろんな人との関わり合いの中で人は成長していくんだ、と再認識させられた。自分の成長に関わってくれた方々に感謝の気持ちすら芽生えた。自分も知らず知らずのうちに大人になったが、過去を回顧するに、主人公が通ったプロセスを自分も確かに通ったんだと確信した。過去の自分が未来につながっている、という当たり前の現実を考えれば考えるほどに、今という時を大切に生きたいという気持ちが沸き起こった。▼第1回本屋大賞第4位
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