長編の名作のひとつ。

氏の比較的長編作をデビュー作からたどっており今回は標題の作品を読んだ。冒頭から二つの世界がパラレルに描かれ,やがて交叉していく。 後半の21章~40章では,主人公の僕と老博士の再会から,博士の説明によって一気に世界の謎が語られ,その後は,とにかく来たるべき終末へ向かって悲しくて切ない僕の旅が描かれてゆく。 39章「しかし私はこのねじまがったままの人生を置いて消滅してしまいたくはなかった。私にはそれを最後まで見届ける義務があるのだ。そうしなければ私は私自身に対する公正さを見失ってしまうことになる。私はこのまま私の人生を置き去りにしていくわけにはいかないのだ。」 人生の後半にさしかかりこのような言葉はとても心に響きます。また勇気づけられます。どういうかたちであれ正気を保って人生を踏みとどまりたいと思いました。39章まで読んで一日空白を入れ最後に40章を読みました。結末は少々意外に感じましたが受け入れます。読後感が良くしばらく浸れそうです。