上巻は予選に漏れた学生たちの群像劇だったが、こちら下巻は、レースそのもの、あるいは中継する大日テレビの人間模様が中心になる。ランナー一人ひとりの紹介、また気難しくも実力派の辛島アナウンサーの名実況が泣かせる。池井戸潤という作家は結局、こうした水戸黄門的な物語に冴えを見せる。泣かせて、一気に読まされてしまった。