人でなし忍者世界にビックリするが。

この本では、「伊賀忍者」の世界が、驚くほど「人でなし」に描かれています。ストーリーは、抜群に面白いですが、他の小説などによって、「忍者」を崇高で、義理を重んじる超職人気質的「縁の下の力持ち」的にイメージが固定化されている人には、少々、納得のいかない作品かもしれませんね。 この本では、伊勢方も、伊賀方もいろいろな問題をはらんでいることから始まり、最後まで、中立にどちらの味方でもない視点で描かれています。 「勧善懲悪」を、スッキリ表現したストーリーが好きな方には、ちょっとだけストレスがたまるかもしれませんね。 むしろこの本で伝えたいのは、もしかしたら「正義」とは、視点を変えれば無数に存在することを訴えたかったのかもしれませんね。 私的には、北畠信雄の妻「凜」の生き様が、強く印象に残ったところです。