蛍一と翔真、親友どおし2人のキャラと心の動きに、蛍一が備品室で出会った不思議な事象をからめて、丁寧な筆で描かれています。のんびりしてユニークだけれど、相手を傷つけないように配慮する蛍一は、5年前に母を亡くし、「この世にはどうしようもないことがある」というあきらめを知っている。翔真は一見、勝ち気でぶっとんでいるけれど、自分らしくあるためにいつも闘っている。翔真は、これからも一緒に闘ってほしかった蛍一に、「大人になることはあきらめる事」と言われ、「蛍一」を諦め、一人で進んでいこうとする。でも最後に蛍一は、翔真の本当の気持ちを知り、備品室での出来事を通して「あきらめない」事の大切さに気がつく。こう書くと、難しい重いストーリーと思われるかもしれませんが、やわらかい書き方でスムーズに読め、素直に心に沁みました。同じ作家の「あの子の秘密」も好きですが、あちらの主人公の言動は、私にはちょっとわざとらしさも感じられました。こちらはやわらかい筆致で肩の力を抜いて楽しめ、感動しました。私が今まで読んだ児童文学の中で、これはいちばん好きな作品です。
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キャンドル
蛍一と翔真、親友どおし2人のキャラと心の動きに、蛍一が備品室で出会った不思議な事象をからめて、丁寧な筆で描かれています。のんびりしてユニークだけれど、相手を傷つけないように配慮する蛍一は、5年前に母を亡くし、「この世にはどうしようもないことがある」というあきらめを知っている。翔真は一見、勝ち気でぶっとんでいるけれど、自分らしくあるためにいつも闘っている。翔真は、これからも一緒に闘ってほしかった蛍一に、「大人になることはあきらめる事」と言われ、「蛍一」を諦め、一人で進んでいこうとする。でも最後に蛍一は、翔真の本当の気持ちを知り、備品室での出来事を通して「あきらめない」事の大切さに気がつく。こう書くと、難しい重いストーリーと思われるかもしれませんが、やわらかい書き方でスムーズに読め、素直に心に沁みました。同じ作家の「あの子の秘密」も好きですが、あちらの主人公の言動は、私にはちょっとわざとらしさも感じられました。こちらはやわらかい筆致で肩の力を抜いて楽しめ、感動しました。私が今まで読んだ児童文学の中で、これはいちばん好きな作品です。