今回のお話は、五賢帝「トライアヌス」のお話。先帝ネルヴァの養子として帝位に就いた彼は、「至高の皇帝」と讃えられる皇帝となる。著者も言っているように、心のそこから真面目に皇帝を務めたのである。なにせローマ帝国始まって以来初の属州出身皇帝である。かと言って自分の出身地であるスペインには現代で言う、「利益誘導」らしいことは何一つしていない。どこかの国の国会議員は大違い。そして大公共工事の連続でありながら国を傾けるようなこともしていない。これもどこかの国の国会議員は見習って欲しい。本当に必要なインフラ整備であり、歳入に見合った事業なのである。年度末に予算消化で無駄な公共事業をすることもない。何故、「至高の皇帝」といわれるようになったのか、詳しいことはじっくりと読んで欲しい。尚、世界史好きの人にはタキトゥスやプリニウス、スヴェトニウスといった文人や歴史家についての著者の考察が述べらているので こちらも面白い。
今回のおなしはフラウヴィウス朝第3代皇帝ドミティアヌスがメイン。ローマ帝国再建を果たしたヴェスパシアヌス帝の次男であり、兄ティトゥス帝の早逝のため登位する。ドミティアヌス帝は五賢帝時代以降も続く外交防衛の基本方針の確立や大規模な公共事業を行い有能な皇帝であったが、元老院や市民から憎まれることとなる。なぜか?ここでもやはりアウグストゥスの取った「偽善者」ぶりと比較されることになる。つまり元老院主導の帝国運営と見せかけて内実は帝政であるという素振りをしたか、しなかったかであった。つまりドミティアヌスは皇帝であること隠さず、そのように振る舞ったために死ぬことになる。さらに「記録抹殺刑」に処される。ここでの教訓は、どんなに能力があり自身が有ろうとも それなりの「演技」が必要だということだ。現代に生きる我々も職場や学校でこのような演技が必要かもしれない。尚、ドミティアヌス帝は暗殺されるが次の皇帝は、翌日には元老院で承認され容疑者は実行犯以外は不明。なにやら陰謀を感じますが私だけでしょうか?
内戦の中、相次いで登位する3皇帝たち。そして東方担当総督であるヴィスパシアヌスが立った。運良く、そしてその運を生かし見事なまでに内戦に巻き込まれなかったため万を持しての登場。戦力温存、協力者、そして息子ティトゥスの活躍によりユダヤ戦役も終結。ヴェスパシアヌスがいよいよローマに入り皇帝となる。内戦終結によって帝国再建上重要だったのは「何もなかったことにする」コトだった。つまりばらばらになってしまった国内政策上融和を図ったこと。そしてローマ独特の帝政はすでにシステムとしては確立していたのでまさに、「健全な常識人」であるヴェスパシアヌスだからこそ「再建」するだけでよかったのである。ただ注意が必要なのは、ヴェスパシアヌスは常識人ではあったがいい人ではなく「ずる賢い」という事。帝政システム上必要なことであったといえる。歴史が人を生むのか人が歴史を生むのか、ここぞと言うときに必要とされる人は出てくる!
暴君ネロが倒れ、ガルバ・オトー・ヴィテリウスという「3皇帝時代」が到来する。ローマ帝国はほぼ1世紀ぶりの内戦に突入することになる。1年に3皇帝が次々と立つが何故そうなったのか?そして何故内戦終結となったのかが本書の内容である。このときにはすでにカエサルやアウグストゥスの家系は皇室とは無関係であったが、内戦の主役達、特に内戦終結後皇帝となる「ヴェスパシアヌス」を初めとする人々は能力主義によってティベリウス・クラウディウス帝によって登用された人々で有った。このことから見てもアウグストゥスによって確立された帝政が機能していた証左であろう。但し、カエサルのような天才的な人物は登場しない。そのことこそ内乱終結に大きな意味を持ってくる。詳しくは、本書と22巻を読めば解るはず。凡才は凡才たるが故に優れている!
今回のお話は、第4代皇帝クラウディウス帝について。生来病弱でそもそも帝位を継ぐ筈ではなかった。ゆえに学問で生きてきたクラウディウスは「歴史家皇帝」として奮闘する。文官や武官としての経験はなかったが、書物から得た知識をフルに活用して帝国の運営は問題なく進む。先帝カリグラの失政を挽回し「パックス・ロマーナ」は揺ぎ無いものとなる。ここで重要なことは、現代にも通ずるシステムを構築したことだった。官僚機構の確立といってもよい解放奴隷たちによる「秘書官システム」の確立である。しかし、このシステムによってまた「悪妻」の登場によりクラウディウス帝の治世は揺らぐことになる。言い換えば、アウグストゥスが執着した「血の継承」がクラウディウスを追い込むことになる。ローマ帝国独特の「帝政」の問題点が浮き彫りになるので必見!!
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賢帝の世紀 上
今回のお話は、五賢帝「トライアヌス」のお話。先帝ネルヴァの養子として帝位に就いた彼は、「至高の皇帝」と讃えられる皇帝となる。著者も言っているように、心のそこから真面目に皇帝を務めたのである。なにせローマ帝国始まって以来初の属州出身皇帝である。かと言って自分の出身地であるスペインには現代で言う、「利益誘導」らしいことは何一つしていない。どこかの国の国会議員は大違い。そして大公共工事の連続でありながら国を傾けるようなこともしていない。これもどこかの国の国会議員は見習って欲しい。本当に必要なインフラ整備であり、歳入に見合った事業なのである。年度末に予算消化で無駄な公共事業をすることもない。何故、「至高の皇帝」といわれるようになったのか、詳しいことはじっくりと読んで欲しい。尚、世界史好きの人にはタキトゥスやプリニウス、スヴェトニウスといった文人や歴史家についての著者の考察が述べらているので こちらも面白い。
危機と克服 [下]
今回のおなしはフラウヴィウス朝第3代皇帝ドミティアヌスがメイン。ローマ帝国再建を果たしたヴェスパシアヌス帝の次男であり、兄ティトゥス帝の早逝のため登位する。ドミティアヌス帝は五賢帝時代以降も続く外交防衛の基本方針の確立や大規模な公共事業を行い有能な皇帝であったが、元老院や市民から憎まれることとなる。なぜか?ここでもやはりアウグストゥスの取った「偽善者」ぶりと比較されることになる。つまり元老院主導の帝国運営と見せかけて内実は帝政であるという素振りをしたか、しなかったかであった。つまりドミティアヌスは皇帝であること隠さず、そのように振る舞ったために死ぬことになる。さらに「記録抹殺刑」に処される。ここでの教訓は、どんなに能力があり自身が有ろうとも それなりの「演技」が必要だということだ。現代に生きる我々も職場や学校でこのような演技が必要かもしれない。尚、ドミティアヌス帝は暗殺されるが次の皇帝は、翌日には元老院で承認され容疑者は実行犯以外は不明。なにやら陰謀を感じますが私だけでしょうか?
危機と克服 [中]
内戦の中、相次いで登位する3皇帝たち。そして東方担当総督であるヴィスパシアヌスが立った。運良く、そしてその運を生かし見事なまでに内戦に巻き込まれなかったため万を持しての登場。戦力温存、協力者、そして息子ティトゥスの活躍によりユダヤ戦役も終結。ヴェスパシアヌスがいよいよローマに入り皇帝となる。内戦終結によって帝国再建上重要だったのは「何もなかったことにする」コトだった。つまりばらばらになってしまった国内政策上融和を図ったこと。そしてローマ独特の帝政はすでにシステムとしては確立していたのでまさに、「健全な常識人」であるヴェスパシアヌスだからこそ「再建」するだけでよかったのである。ただ注意が必要なのは、ヴェスパシアヌスは常識人ではあったがいい人ではなく「ずる賢い」という事。帝政システム上必要なことであったといえる。歴史が人を生むのか人が歴史を生むのか、ここぞと言うときに必要とされる人は出てくる!
危機と克服 [上]
暴君ネロが倒れ、ガルバ・オトー・ヴィテリウスという「3皇帝時代」が到来する。ローマ帝国はほぼ1世紀ぶりの内戦に突入することになる。1年に3皇帝が次々と立つが何故そうなったのか?そして何故内戦終結となったのかが本書の内容である。このときにはすでにカエサルやアウグストゥスの家系は皇室とは無関係であったが、内戦の主役達、特に内戦終結後皇帝となる「ヴェスパシアヌス」を初めとする人々は能力主義によってティベリウス・クラウディウス帝によって登用された人々で有った。このことから見てもアウグストゥスによって確立された帝政が機能していた証左であろう。但し、カエサルのような天才的な人物は登場しない。そのことこそ内乱終結に大きな意味を持ってくる。詳しくは、本書と22巻を読めば解るはず。凡才は凡才たるが故に優れている!
悪名高き皇帝たち[三]
今回のお話は、第4代皇帝クラウディウス帝について。生来病弱でそもそも帝位を継ぐ筈ではなかった。ゆえに学問で生きてきたクラウディウスは「歴史家皇帝」として奮闘する。文官や武官としての経験はなかったが、書物から得た知識をフルに活用して帝国の運営は問題なく進む。先帝カリグラの失政を挽回し「パックス・ロマーナ」は揺ぎ無いものとなる。ここで重要なことは、現代にも通ずるシステムを構築したことだった。官僚機構の確立といってもよい解放奴隷たちによる「秘書官システム」の確立である。しかし、このシステムによってまた「悪妻」の登場によりクラウディウス帝の治世は揺らぐことになる。言い換えば、アウグストゥスが執着した「血の継承」がクラウディウスを追い込むことになる。ローマ帝国独特の「帝政」の問題点が浮き彫りになるので必見!!