この作品の面白いところは、1.非常に現実寄りなんだけれどもファンタジックな世界観 2.登場人物たちのコミュニケーション の2点だと私は思っています。2点目については主にロレンスとホロのやり取りになるわけで、さすがに9巻目(7巻はサイドストーリーなので厳密には8巻目)ともなると若干食傷気味になるところですが、前巻あたりからコルが加わったことによって会話の幅をうまく広げています。作中ではあえて明言されていませんが、「店主とおかみさんと弟子」という一般的な商人の家族構成になったことで(ホロはおかみさんではないしコルは弟子ではありませんが)、商人としてだけではなく、社会生活を営む大人の人間としても将来のリハーサルをしているような感じになってきています。「人を使う立場」「帰るところがある」という表現から見ても、ロレンスが若い行商人から長年の夢である店の主人になるためのステップをひとつひとつ登っているところだという感じです。 またロレンスは商人としては必ずしも一流とはいえないかもしれませんが、とかく商人=人に非ずと揶揄されるような世界において、商人でありながら人であることを辞めずに、あくまで(損得を抜きにした)人間として振舞うことの大切さを見失ってはいない。そこが読者としては面白く、またホロがロレンスを選んだ理由ともなっているのでしょう。 安定して面白いです。
期間限定の特別価格でプレミアムサービスを体験
あなたのビジネスを次のレベルへ
© Copyright 2025, All Rights Reserved
狼と香辛料IX対立の町(下)
この作品の面白いところは、1.非常に現実寄りなんだけれどもファンタジックな世界観 2.登場人物たちのコミュニケーション の2点だと私は思っています。2点目については主にロレンスとホロのやり取りになるわけで、さすがに9巻目(7巻はサイドストーリーなので厳密には8巻目)ともなると若干食傷気味になるところですが、前巻あたりからコルが加わったことによって会話の幅をうまく広げています。作中ではあえて明言されていませんが、「店主とおかみさんと弟子」という一般的な商人の家族構成になったことで(ホロはおかみさんではないしコルは弟子ではありませんが)、商人としてだけではなく、社会生活を営む大人の人間としても将来のリハーサルをしているような感じになってきています。「人を使う立場」「帰るところがある」という表現から見ても、ロレンスが若い行商人から長年の夢である店の主人になるためのステップをひとつひとつ登っているところだという感じです。 またロレンスは商人としては必ずしも一流とはいえないかもしれませんが、とかく商人=人に非ずと揶揄されるような世界において、商人でありながら人であることを辞めずに、あくまで(損得を抜きにした)人間として振舞うことの大切さを見失ってはいない。そこが読者としては面白く、またホロがロレンスを選んだ理由ともなっているのでしょう。 安定して面白いです。