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もし、おれが僻地の土佐ではなく東海の地に生れていたならば…長曽我部元親は嘆く。強盛を誇った信長が斃れても、素早く跡を襲った豊臣秀吉によって、営々と築きあげてきた四国に侵略の手が伸びてきた。そして再び土佐一国に、押し込められようとしているー土佐に興り、四国全土を席巻した風雲児の生涯。
もし、おれが僻地の土佐ではなく東海の地に生れていたならば…長曽我部元親は嘆く。強盛を誇った信長が斃れても、素早く跡を襲った豊臣秀吉によって、営々と築きあげてきた四国に侵略の手が伸びてきた。そして再び土佐一国に、押し込められようとしているー土佐に興り、四国全土を席巻した風雲児の生涯。
レビュー(82件)
土佐の風雲児長曾我部元親の激動の物語ですが、展開が彼の妻となる菜々を中心に始まり、とても面白い物語です。
夏に読むべし
この物語は夏の暑いときに読むのが良いと思いました。四国統一から一転,本能寺の変後の運命の変わり様は,諸行無常と言った有様です。滅びの文学とでも言うのでしょうか。元親の考案した「一領具足」から郷士を通じての近代日本への昇華という流れに不思議さを感じます。
最後が駆け足すぎて残念感が。
対織田戦か…!で終わった上巻から、豊臣台頭の下巻へ。 今もって理由不明な下克上勃発の本能寺の変で首一枚繋がった元親公。運がいいのか悪いのか判らない長曾我部元親のすぐ傍で軍議を聞いているような擬似リアル感を持たせたドラマ書きをしていた司馬氏ですが、終盤の長男没の場面辺りから、視点があちらこちらにブレブレで、最後が神の視点からの歴史資料説明で終わったのが実に残念です。なんというか、オレ様元親の衰退ぶりは想像してくれって感じに「投げちゃった」感が否めない。残念すぎる。これを原作に大河ドラマは無理っぽい。
上巻と合わせて購入。 四国を統一したものの、もっと強い信長、秀吉に屈し、関ヶ原では西軍に組して廃絶するという、負け組み戦国大名の苦悩の半生が描かれています。
これも楽しみな作品の一つで購入しました。司馬さんの戦国物は、本当に世に知られた人をえがいているのですが、何とも言えないタッチで書かれている所がとても心地よいと思います。