意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルムー近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。刊行時、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著、待望の文庫化。大胆で斬新、度肝を抜かれる奇想画家の世界へようこそ!図版多数。
レビュー(49件)
又兵衛から国芳まで
見開きの岩佐又兵衛の常磐殺し、がバーン!!と目に飛び込んできました。奇想の絵師たちの、幕末までの解説なのですが、私は個人的に好きなのは、伊藤若冲と歌川国芳です。美術展で鑑賞して、ポップ.アートだと衝撃を受けたからです。
めぐりあった本
ある雑誌で紹介されていた本です。検索して見つけたものです。 購入させていただき内容の濃さに嬉しく思いました。有り難うございました。
絵画展見にく前に
現在開催中の絵画展観に行く前に予習で購入。
そもそもは美術検定対策の延長線で手に取ったのですが、期待以上におもしろい1冊でした。 コ難しい評論本かと思いきや、とにかく図版がたくさん載っているので、ふむふむなるほど~と うなづきながらするする読めました。 惜しむらくはそれらほとんどの図版がカラーでなくてモノクロの点。いやいや、グロテスクな絵ばっかりなので、 むしろモノクロでよかったのかも? 古い文献に伝わる各画家の人となりも紹介されていて、画風と相まってそれもまたおもしろい。 今まで展覧会では「キモッ」のひとことでやり過ごしていた曾我簫白も、これからは「キモッ。でもおもろっ」と 作品の前で立ち止まる時間が増えそうです。
★面白い!40年前なのに新鮮!
今でこそ江戸絵画ブーム 若冲ブームが続いていますが岩佐又兵衛 狩野山雪 伊藤若冲 曾我蕭白 長沢蘆雪 歌川国芳の再評価につながるきっかけを作ったのは辻惟雄氏だと思います。名著です。絵も登場する6人も個性的で面白く興味深いです。画家たちの自由で斬新な発想 奇想ぶり 感受性 不気味だったり 恐ろしかったり、ユーモラスだったり イラストレーション アニメ的なものもあり飽きさせないです。 日本美術は面白い!!本の中で紹介されている絵のオールカラーを希望します。6人の画家をオムニバスでドラマとかにしたら面白いだろうなあと思いました。 人物も絵も強烈な個性は面白い!