著者も出演していたNHK『日曜美術館』の松本竣介特集を見たのをきっかけに購入。 画家が書く文章はどこか小難しいという先入観がありましたが、 本書は松本作品にも通じる、知的で静謐なエッセイですんなり読めました。 著者と松本とのエピソードの数々はもちろん、 お互いに意識していたといえる、松本と藤田嗣治との間接的な関係、 また当時画学生だった著者が体験した、東京大空襲の惨状に関する記述も とても濃密で、興味深い内容の詰まった一冊でした。
それぞれ語り手が異なる、5つの短編からなる連作長編です。 初めはきわどい描写に腰が引けましたが、気が付けば一気に読み終えていました。 途中、心にひりひりする痛みを感じながら。 自分で自分のことが手に負えなくて困ってしまうことって、意外によくあります。 本作の登場人物たちの困り度は相当なのだけど、途方に暮れてどうしようもない、 身に覚えのあるその感覚にどこかしら共鳴したのかも。 それにしても、タイトルが秀逸。
「魂のあるところ」と題された2005年の対談と、表題の2006年の対談の2本と 小川氏の長いあとがきから構成されています。 前者は主に『博士の愛した数式』について語られているので、 未読の方は先に読んでおいた方がいいかも。 カウンセリングにまつわること、宗教、死生観などが時折ユーモアを交えつつ、 おふたりの柔らかい語り口によって読みやすい文章で綴られています。 さらっと読めもしますが、じっくり読みたい内容。特に興味深かったのは、 キリスト教文化は「原罪」だが、日本の文化は「原悲」だというくだり。う~む、なるほど。
時折、呼吸が浅くなる(気がする)くらいに、読み進めるのが辛くなる物語でした。 主人公の少年が悪質ないじめを受ける場面しかり、 主人公同様クラスメイトからいじめられている少女の言葉があまりに痛々しくて 胸が痛くなったり、加害者の少年の身勝手な主張に愕然とさせられたり。 楽しい、おもしろいだけが小説じゃない、登場人物とともに苦しみを味わうのも また小説の醍醐味なのかもと思わせられました。 ラストは急ごしらえな感があり、やや消化不良にも思えましたが、 現実社会で起こっているいじめの深刻さを考えると、 せめてフィクションの世界ぐらいはこのくらいの甘さがあってもいいのかもしれません。
一般的な対談であれば、さらりと読み流すこともできますが、 対談者が知の巨人ふたりとなると、そうもいきませんでした。 活字が大きく、ページ数も少ないのですが、すぐに頭の中が?マークで渦巻き、 何度もページを行きつ戻りつしながらやっとこさ読了。 知の巨人の頭の中には深遠なる世界が広がっていることだけは 痛いほどわかりました。 しかしながら、いつか再読して、もっと理解を深めたいと思わせる一冊です。
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青い絵具の匂い改版
著者も出演していたNHK『日曜美術館』の松本竣介特集を見たのをきっかけに購入。 画家が書く文章はどこか小難しいという先入観がありましたが、 本書は松本作品にも通じる、知的で静謐なエッセイですんなり読めました。 著者と松本とのエピソードの数々はもちろん、 お互いに意識していたといえる、松本と藤田嗣治との間接的な関係、 また当時画学生だった著者が体験した、東京大空襲の惨状に関する記述も とても濃密で、興味深い内容の詰まった一冊でした。
ふがいない僕は空を見た
それぞれ語り手が異なる、5つの短編からなる連作長編です。 初めはきわどい描写に腰が引けましたが、気が付けば一気に読み終えていました。 途中、心にひりひりする痛みを感じながら。 自分で自分のことが手に負えなくて困ってしまうことって、意外によくあります。 本作の登場人物たちの困り度は相当なのだけど、途方に暮れてどうしようもない、 身に覚えのあるその感覚にどこかしら共鳴したのかも。 それにしても、タイトルが秀逸。
生きるとは、自分の物語をつくること
「魂のあるところ」と題された2005年の対談と、表題の2006年の対談の2本と 小川氏の長いあとがきから構成されています。 前者は主に『博士の愛した数式』について語られているので、 未読の方は先に読んでおいた方がいいかも。 カウンセリングにまつわること、宗教、死生観などが時折ユーモアを交えつつ、 おふたりの柔らかい語り口によって読みやすい文章で綴られています。 さらっと読めもしますが、じっくり読みたい内容。特に興味深かったのは、 キリスト教文化は「原罪」だが、日本の文化は「原悲」だというくだり。う~む、なるほど。
ヘヴン
時折、呼吸が浅くなる(気がする)くらいに、読み進めるのが辛くなる物語でした。 主人公の少年が悪質ないじめを受ける場面しかり、 主人公同様クラスメイトからいじめられている少女の言葉があまりに痛々しくて 胸が痛くなったり、加害者の少年の身勝手な主張に愕然とさせられたり。 楽しい、おもしろいだけが小説じゃない、登場人物とともに苦しみを味わうのも また小説の醍醐味なのかもと思わせられました。 ラストは急ごしらえな感があり、やや消化不良にも思えましたが、 現実社会で起こっているいじめの深刻さを考えると、 せめてフィクションの世界ぐらいはこのくらいの甘さがあってもいいのかもしれません。
人間の建設
一般的な対談であれば、さらりと読み流すこともできますが、 対談者が知の巨人ふたりとなると、そうもいきませんでした。 活字が大きく、ページ数も少ないのですが、すぐに頭の中が?マークで渦巻き、 何度もページを行きつ戻りつしながらやっとこさ読了。 知の巨人の頭の中には深遠なる世界が広がっていることだけは 痛いほどわかりました。 しかしながら、いつか再読して、もっと理解を深めたいと思わせる一冊です。