リアリティですね

これまでに読んだ柚木さんの著書『佐方貞人シリーズ』で、女性作家ならではの心理描写の巧みさと展開の奥深さが際立っていたので、本書も読んでみたくなり、購入しました。 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出す。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく。 * 悪徳警官と揶揄される大上、それに付き従う新人・日岡を中心に繰り広げられるヤクザ社会との持ちつ持たれつの関係がリアリティですね。女性作家でありながら、男くささをよく描けていることに感服です。 この物語の最後、孤狼・大上の血を引き継いだ日岡の言動がとても印象的でした。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:柚月裕子[ユズキユウコ] ・略歴:1968年岩手県生まれ。2007年「待ち人」で山新文学賞入選、やましん文芸年間賞天賞受賞。'08年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。'13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞受賞。'16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。 ・出版:角川文庫 ・発売:2017月8月 ・ページ数:460p ■これまでに購読した柚月裕子の著書 ・最後の証人(第7刷) ・検事の本懐(第6刷) ・検事の死命(第4刷)