日本人,必読の書。

昭和20年8月14日正午から15日正午の玉音放送までの歴史的に重要な一日を,一時間ごと一章として書かれた半藤一利氏のドキュメンタリーである。本作は昭和40年に(大人の事情で)大宅壮一氏の著述として刊行され,平成7年に半藤氏が改訂を加えて決定版として刊行した。 最近映画にもなり多くの国民の興味を引くことになったが,私は,高校生の頃,このような事件があったことを知っていた。ただし,それは玉音放送を阻止しようとする一部陸軍の事変という認識で,本作で示されたような大規模なクーデター計画とは知らなかった。 ドキュメンタリーであり,当時の関係者の日記等を参考に,矛盾は矛盾として,丁寧に記録を紡いでいくように本作は書かれている。ある種のサスペンスを読んでいるような気分にもさせる。 特定の人物を愚かと感じたり時代と考えたり人によって感性は異なると思うが,日本人なら読んでおくべきドキュメントであると思う。